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僕は馬券よりも人生に賭けたい|渡辺沈没

1,540円

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本のそばにはいいことがあり、本のそばにはいい出会いがあった── この世には書かざる得ない文章がある。この世には出さざる得ない本がある。書かなければ次の一歩が踏み出せない。新たな人生を迎えられない。取次、出版社、出版システム会社と本のそばに寄り添って生きてきた著者が、自身のささやかな人生振り返り、その中の句読点を綴る随筆集。 四六判変型並製 144ページ [目次] まえがき 2 振り返れば、壊れていなかったことがありません。 6 伊野尾さんに会いたくなった日のこと 16 困ったもんです。いらんことは優しさでもあるから。 25 なんで書けなかったのか。 29 ひとり社員の喜びと悲しみ 35 俺じゃなくていいじゃん! と思うまでのこと 43 北陸は時間の流れが違いました。 54 彼女がくれた20GBのiPod 67 まっとうなことをまっとうに 79 長めのあとがき 93 まだ終わらない 114 [はじめに] 吾輩は渡辺沈没である。本名は渡辺佑一である。まだ沈没はしていない。 沈没という名前がどこで生まれたかは、とんと見当がつく。何でも京都の薄暗い酒場で、四人の男がゲラゲラと笑っていたことだけは記憶している。 50歳を目前にして、私はダメな人間なのであった。毎晩どうしても飲み歩いてしまうのだ。しかも週末には競馬もやらずにはおれないのだ。 しかし私も何者かになりたい、という想いがないわけではない。いや、以前は何者かだったと思えたときもあったのだ。出版業界の片隅で働きはじめて四半世紀、私はいつから何者でなくなったのか? そもそも本当に何者かだったのか? ところで酒場にいた四人の男は、「4B」と名乗っている。本の近くで働き、本の話をしていたある日、「渡辺も何かを書くべきだ」という話になった。ふざけたような筆名も書名も、私の50歳の誕生日を原稿締切日とすることも、そのときに決まった。 もしこれを書き終えることができなければ、私は本当に何者でもないただのダメ人間となり、その人生はどうやら沈没してしまうようであった。ゲラゲラと笑うその裏で、その実、震える思いがした。 かくして吾輩は、渡辺沈没を自分の名前と極めることにしたのである。 ※注 本書は時折競馬の話題が出ますが、競馬エッセイではありません。 *版元HPより

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