きっかけは、翻訳家の元に届いた一通の手紙。端正な文字で綴られた深い悔恨の思いと切実な願いから始まった '魂の交流'の記録
「こんな私でも参加させていただけるような読書会というものはないでしょうか」。きっかけは、翻訳家の元に届いた一通の手紙。便箋の片隅には、検閲済みであることを示す小さな桜の印。端正な文字でびっしりと綴られた深い悔恨の思いと切実な願いから始まった稀有な'魂の交流'の記録。『読書会という幸福』の思いがけない後日譚。
【目次】
はじめに 送られてきた一通の手紙
春
四月 編集者経由で手紙が届く
五月 本を送りはじめる
六月 親との関係は修復できるのか――『毒になる親』
コラム1 刑務所用語入門
夏
七月 差別について考える――『ヘルプ――心がつなぐストーリー』
八月 家族とはなにか――『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』
九月 罪を背負うということ――『いのちの初夜』
コラム2 拘禁刑の導入
秋
十月 人を裁くとはどういうことか――『裁かれた命』
十一月 信仰とはなにか――『光あるうち光の中を歩め』
十二月 権力争いは塀の中にも――『蠅の王』
コラム3 刑務所のある平日のスケジュール
冬
一月 ただ勝つのではなく美しく勝つ――『猫を抱いて象と泳ぐ』
二月 知らないほうが幸福だったのか――『アルジャーノンに花束を』
三月 父と息子の関係について――『豚の死なない日』
コラム4 懲罰房
コラム5 刑務作業品
コラム6 運動
真の反省と償いのために(大矢)
【付録】
感想文より
ノートより
「は・ん・ぶ・ん・こ」
日記(抜粋)
ブックリスト
あとがき
【著者】
向井和美(むかい・かずみ)
翻訳家。早稲田大学第一文学部卒業。元東京都内の私立中高一貫校の図書館司書。
著書『読書会という幸福』(岩波新書)。訳書に『プリズン・ブック・クラブ──コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』、『100の思考実験──あなたはどこまで考えられるか』、『アウシュヴィッツの歯科医』、『実存主義者のカフェにて──自由と存在とアプリコットカクテルを』(以上、紀伊國屋書店)、『内向的な人こそ強い人』(新潮社)、『哲学の女王たち』(晶文社)、『はじめてのフェミニズム』(ちくまプリマー新書)など。
*出版元HPより