【アーカイブ配信】AIはノーベル文学賞を獲れるのか(登壇者:今井むつみ、川添愛)
1,320円
※こちらはダウンロード商品です
event_url_20230902imaikawazoe.pdf
603KB
今年逝去された大江健三郎さんが『新しい文学のために』のなかで、少年時代に経験した言葉のショックを語っている箇所があります。衝撃を受けたのは著名な文筆家による文章などではなく、『やまびこ学校』という小さな本に収められた東北地方に暮らす少年少女の詩や散文でした。彼らの言葉について「この子供たちの属する共同体である村や学校で、お互いの話し合いの中に鍛えられた言葉だと」感じられたと述べ、次のように書かれています。
「自分が新制中学の国語や社会の時間に書く作文や報告が、いかにも具体的な手ごたえのない、言葉だけのものかと恥かしく思いもしたのだった。その思いはいまに残って、現在の自分の小説への根本的な反省に結ぶことがある」
後にノーベル文学賞を受賞される作家でも自分自身の言葉に対して「いかにも具体的な手ごたえのない、言葉だけのものかと恥かしく思」ったことがあるのかと驚くと同時に、ある言葉に対してそれに具体的な手ごたえが伴っているかどうかを判断するのは非常に難しいことだとも思いました。
自分自身を顧みても、発した言葉が自分自身と結びつかず借り物の言葉だと感じられることばかりで、その結果自分の実存さえもどこかフワフワと浮いてしまっているような感覚を抱えながら生きているような気がします。そして、おそらくそれは私だけではなく、現代社会に生きる人たちが少なからず共有されているムードであると考えています。
その要因はさまざまあるかと思いますが、ここで注目したいのはAIにより生成される言語です。今年非常に話題になっている対話型AIのChat GPTをはじめ、その進化は目を見張るものがあります。『世界』7月号に掲載されている今井むつみさんと川添愛さんの対談のなかで、お二人は人間の言葉とAIの言葉の違いを学習の仕方、特に「記号接地」の有無に求められています。記号接地とは抽象的な記号体系が具体的な感覚とつながっていることで、人は五感の情報を元に推論を繰り返すことで言語という記号の体系を発見していくとされます。一方、機械の言葉は膨大なインプットに基づいた量的かつ確率的なもので、人間のふりをしているにすぎないと指摘されています。
今後AIにより生み出された言葉に触れる機会は飛躍的に多くなるでしょう。このような変化は私たちの言語体系にどのような影響を与えるのでしょうか。それは人間がどのような言葉を求めているのかという問いと裏返しで、どのような文学作品が読まれ評価されるのか──極端に言えば「AIはノーベル文学賞を獲れるのか」という問いにもつながってくるはずです。
認知科学者の今井むつみさんと言語学者で作家でもある川添愛さんの対話から、これまでとこれからの人間と言葉の関係について考える機会にしたいと考えています。是非ご参加ください。
*『世界』7月号での今井さんと川添さんの対談「わかりたいヒトとわかったふりをするAI」は現在岩波書店のサイト「WEB世界」にて特別公開されていますので、是非ご覧ください。
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/7372
<プロフィール>
今井むつみ(いまい・むつみ)
慶應義塾大学環境情報学部教授。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。著書に『言語の本質』(秋田喜美氏との共著、中公新書)、『算数文章題が解けない子どもたち』(岩波書店)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくまプリマ―新書)ほか。
川添愛(かわぞえ・あい)
言語学者、作家。専門は言語学、自然言語処理。著書に『ふだん使いの言語学』(新潮選書)、『ヒトの言葉 機械の言葉』(角川新書)、『聖者のかけら』(新潮社)、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』(朝日出版社)ほか。
【日時】9/2(金)18:30-20:00(延長の可能性あり)
*こちらのイベントは、イベント終了後、アーカイブ視聴が可能となります。
*アーカイブ視聴期間はイベント開催日またはお申し込み日から2ヶ月間となります。
【来店参加について】
・開演時間の20分前より開場/受付開始いたします
・係員及びスタッフの指示・注意に従ってください。万が一、指示に従っていただけない場合、イベントの中断・中止や、特定のお客様にご参加をお断りする場合がございます
・来店参加をご購入された方の中で、当日体調などに不安がある等の理由で配信視聴を希望される場合は、配信参加用のURLよりご視聴ください。視聴方法は、【配信参加について】をご確認ください。なお、来店参加を取りやめられる場合であっても、差額の返金等はいたしかねます。何卒ご了承ください
・イベントご来場にあたりご不明な点がございましたら、下記の<お問い合わせ先>までお気軽にご連絡ください
【配信参加について】
・決済完了後にPDFファイルのダウンロード(※)をお願いします。ダウンロードし内容をご確認の上、開催時刻になりましたら記載のURLからご視聴ください。
・配信はVimeoというサービスのストリーミング機能を使用いたします。お使いの環境での動作が不安な方は(https://www.g-1.ne.jp/preview-vimeo/ )にて視聴テストを行えます。催事中は対応いたしかねますので、事前にご確認ください。
・インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからご視聴いただけます
・イベント中、お客様の顔や音声などは配信されませんのでご安心ください
・リアルタイム配信と見逃し視聴(一部イベントを除く)でお楽しみいただけます。見逃し視聴につきましてもライブ配信と同URLからご視聴いただけますので、ご都合に併せてご視聴ください(こちらから見逃し配信のご案内はいたしません)
・ご利用の通信環境により配信の遅延が起こる場合がございます。ご了承ください
・チケットをご購入されていない方にURLを共有する等、不正な行為による視聴及びその手助けとなる行為を固く禁じます。発覚した場合、ご連絡の上で厳正な対処を取らせて頂きます。ご注意ください
【キャンセルについて】
・イベント配信用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。来店参加を取りやめられる場合であっても、差額の返金等はいたしかねます。何卒ご了承ください
・主催側の都合によりイベントが中止となった場合、メールにより中止のご案内の後、近日中に返金処理を行います。また、同内容のイベントで後日改めて開催となった場合、新たに販売ページを設けます。その際、中止となった日程でお送りしたURLは無効となります。お手数ですが、再度販売ページにてご購入ください。
※ダウンロード方法について
https://faq.stores.jp/hc/ja/articles/360044830312--%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E8%B2%A9%E5%A3%B2-%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B5%81%E3%82%8C%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%99-#h_3f7d06f3-7b36-490b-b639-cbf31a98f020
______________________________________
【主催・会場】
本と珈琲の店 UNITÉ(東京都三鷹市下連雀4-17-10 SMZビル1F)
その他のアイテム
-
- 【アーカイブ配信】「隠喩としての感染症・依存症とその隠喩 ──ソンタグと現代の病理」(登壇者:都甲幸治、松本俊彦)
- ¥1,320
-
- 【アーカイブ配信】「創造的な伝統とは何か ──古くて新しい解釈を求めて」(登壇者:小倉ヒラク、下西風澄)
- ¥1,320
-
- 【オンライン参加】7/14(火)19:30-21:00「廃墟に生きるものたちへの贈与と祈り──宮﨑駿を読みほどく」(登壇者:赤坂憲雄、石橋直樹)
- ¥1,320
-
- 【来店参加】7/22(水)19:30-21:00「近代文学にとって『太宰治』とは何か」(登壇者:安藤宏、宮崎智之)
- ¥1,980
-
- 【アーカイブ配信】「アートは偏見をほどけるか?──移民/難民をめぐる想像力」(登壇者:川上幸之介、髙谷幸、金井真紀)
- ¥1,320
-
- 【アーカイブ配信】「私小説にとって『私』とは何か──太宰治と井伏鱒二を読み直す」(登壇者:安藤宏、野崎歓)
- ¥1,320