【アーカイブ配信】「「説明」を説明する──認識を覆す「説明」の世界」(登壇者:鈴木ジェロニモ、古田徹也)
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私たちは「説明する」ことの豊かさを知らずに生きてきたのかもしれない。「説明する」と言われて思い出すのは、国語の授業での「下線部を説明しなさい」という文言。求められている答えにそってそれを後追いするような説明のあり方。あるいは、カミュ『異邦人』で、主人公が殺人の動機を求められて、「太陽のせい」という回答をしたことを思い出す。しかし、「太陽のせい」という弁明は「説明」として不十分というだけではなく、そもそも何を言っているのか理解できないだろう。
説明。どこか説教くさいイメージが染み付いていて、ワクワクはしない。しかし、鈴木ジェロニモさんが「説明」の概念を覆してくれた。鈴木さんの『水道水の味を説明する』(ナナロク社)は本の概念をも少し覆す、いささかクレイジーな本なのだが、しかし圧倒的に面白い。説明する対象となるのは、「水道水の味」「一円玉の重み」「造花の匂い」「まばたき」「東京の部屋」「この本の厚さ」だが、どれも今までに説明しようと思ったことがないものばかり。いや、「水道水の味」や「東京の部屋」くらいはあるかもしれないが、そうはいってもそれぞれ「無味」とか「狭い」とかで終わってしまうだろう。
しかし、鈴木さんは永遠に説明し続ける。説明しつくてもなお説明を重ねることで、説明されるものの新境地が見えてくるのだ。言葉を尽くすことで物事が立体的になる感じ、これは古田徹也さんが『いつもの言葉を哲学する』などの著書で述べておられる「言葉の多面的な理解」に通ずるところがあると思った。たとえば「かわいい」などの言葉をいろんな角度から捉え直すことで、死んでいた言葉が息を吹き返す経験。鈴木ジェロニモさんの「説明」もまさにそれではないか。「造花」がまるで生き物のように迫ってくる。
さて、こんなふうに「説明」の持つ可能性を思い知らされたのだが、「説明」とは果たしてどういうことなのだろうか。そして説明にはどんな可能性が秘められているのか。芸人の鈴木さんと哲学者の古田さんの異色のトークから、きっと新たな「説明」の側面が見えてくるのではないかとワクワクしています。みなさんもぜひイベントに参加して、このイベントを説明してみてください。
【プロフィール】
鈴木ジェロニモ(すずき・じぇろにも)
1994年生まれ。栃木県出身。お笑い芸人。歌人。プロダクション人力舎所属。R-1グランプリ2023準決勝進出。TBS『ラヴィット!』「第2回耳心地いい-1GP」準優勝。第4回・第5回笹井宏之賞最終選考。第65回短歌研究新人賞最終選考。第1回粘菌歌会賞受賞。
古田徹也(ふるた・てつや)
1979年熊本県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。主に西洋近現代の哲学・倫理学を研究。著書に『言葉なんていらない?』(創元社)『謝罪論』(柏書房)『このゲームにはゴールがない』(筑摩書房)『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)『はじめてのウィトゲンシュタイン』(NHK BOOKS)『不道徳的倫理学講義』(ちくま新書)ほか。『言葉の魂の哲学』(講談社選書メチエ)で第41回サントリー学芸賞受賞。
【日時】6/6(金)19:00-20:30 (延長の可能性あり)
*こちらのイベントは、イベント終了後、アーカイブ視聴が可能となります。
*アーカイブ視聴期間はイベント開催日またはお申し込み日から2ヶ月間となります。
【来店参加について】
・開演時間の20分前より開場/受付開始いたします
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【配信参加について】
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【主催・会場】
本と珈琲の店 UNITÉ(東京都三鷹市下連雀4-17-10 SMZビル1F)
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