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珈琲にドーナッツ盤|片岡義男

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一挙文庫化された片岡義男「珈琲三部作」の一冊目にして、著者初の「私小説集」。時代は1960年から1973年。大学生時代、3カ月の会社員生活、フリーランスのライターとして原稿用紙に鉛筆と喫茶店の日々……。「作家以前」の知られざる日々が、あの乾いた筆致と当時のレコード、そして珈琲を伴って鮮やかに浮かび上がる。なぜ「僕」は会社を3か月で辞めたのか。なぜ「僕」は雨の神保町で濡れることなく喫茶店をはしごして原稿を書き続けることができたのか。なぜ「僕」はザ・ビートルズの来日記者会見に行かなかったのか。なぜ「僕」は新宿の裏通りで「骨まで愛して」と「パープル・ヘイズ」を続けて聴いたのか。なぜ「僕」は船橋ヘルセンターでジャニス・ジョプリンの叫びを耳にしたのか……。片岡義男の10年以上にもわたる「空白の時代」が、自らの手で明らかにされる。 物語ひとつひとつのタイトルを追うだけでも極上の読書体験だ。 「ディーン・マーティンもリッキー・ネルスンも、いまのうちだから」 「大学の四年間は一通の成績証明書となった」 「営業の人になりきったら、それ以外の人にはなれないでしょう?」 「男の社員ばかりで鬼怒川温泉に行き、それからどうするというのか」 「あなたは、このコーヒーの苦さを忘れないで」 「ひょっとして僕は、甘く見られているだろうか」 「クリーム・ソーダは美しい緑色のフィクションだ」 「楽しく美しい本を、まだ僕は一冊も作っていないではないか」……。 小説に登場する121枚のレコード、そのジャケット写真をすべて収録。さらに文庫版特典として「登場曲の数々を聴きながら読める」QRコードも掲載。この一冊で、新たなかたちの「読書」が味わえる。 *版元HPより

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