回復に導く詩の言葉
ハン・ガンが20年余りにわたり書き続けてきた60篇を収めた詩集『引き出しに夕方をしまっておいた』を、著者の小説を手掛けてきた翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳により刊行致します。
巻末に収録した翻訳家対談では、韓国における詩の受容や詩人としてのハン・ガンなど、広く深みのある話が繰り広げられており読者を韓国の詩の世界へ誘う格好のガイドとなっています。
ハン・ガンの小説は美しく、同時に力がある。繊細さだけではなく強さがある。
その元にあるものがこの詩にあらわれている。
――斎藤真理子
ハン・ガンにとって詩は内密な自分自身の声に正直なもの。
詩を書くことで、心身のバランスや問いを直視し続ける力を回復していく。
――きむ ふな
|目次
一部 明け方に聞いた歌
二部 解剖劇場
三部 夜の葉
四部 鏡のむこうの冬
五部 真っ暗なともしびの家
対談 回復の過程に導く詩の言葉──訳者あとがきにかえて