『母の最終講義』刊行後に多く寄せられた「読んでみたい」という声を受け、
最相葉月の初エッセイ集、23年の時を経て復刊。
わが心の町 大阪君のこと(映画『ココニイルコト』原案)、
声の力、ある退社、私が競輪場を去った理由…etc.
今に繫がる、48本のエッセイ。
最相葉月デビュー30周年記念企画
●本文より
登場するほとんどのものは物理的には失われましたが、時が経っても変わらないものがあって、それがほかならぬ私自身なのだと気づかされました。(「復刊によせて」より)
目次
Ⅰ
わが心の町 大阪君のこと/側溝のカルピス/星々の悲しみ/貝殻虫/わかれて遠い人/鬼脚の涙/時をかける人
Ⅱ
おシャカさまに近い人/遠距離の客/パン屋の二階/あなたはだあれ?/旨いけど/女にはわからんけど/夢見るキャッチボール/まだ、虎は見える/ジュリー、ジュリー、ジュリー/音が気になるツボ/声の力/目で聞く人/左手は戦略家
Ⅲ
テーブルマナー/歩きだす谷間/赤いポストに/蕾/昆明断想/白菊/二十万人の夏/彼女の疑問/黒いスーパーマン/ドラマチック・ドラマ/ふたりのМ/サルと呼ばないで/二十五年ぶりの宝塚/こんにちは赤ちゃん/本屋へ/お花畑の悪魔/知らない作家の本を読む人/二百円の災い/なんとお呼びすれば
Ⅳ
壁の穴/ふくろふはふくろふ/夢/ある写真家/ある退社/記憶/心の時間軸/私が競輪場を去った理由/手紙
あとがき
復刊によせて
*出版元HPより