*橋本倫史さん登壇イベントアーカイブ配信
5/25(土)~6/25(火)
「いま、ノンフィクションを書くということ
──『観光地ぶらり』が本になるまで 」
(登壇者:橋本倫史、森山裕之)
https://www.unite-books.com/event
行列に並んで観る絶景も悪くないが、そこで生活する人々の呼吸を聞き、その土地と対話する姿勢に感動を覚えた。——又吉直樹
話題作『ドライブイン探訪』の著者が、各地の「観光地」を巡り、日本の近代の歩んできた足跡をたどる傑作ノンフィクション・エッセイ。旅とは、生活とは、歴史とは、世界とは、生きることとは。
絶景のなかに、何を見るか。
わたしたちの目は、絶景を見慣れている。どんなに美しい景色でも、1時間、2時間と見惚れることは稀で、しばらく眺めたあと、写真を撮って立ち去る場合がほとんどだ。わたしたちは、ちゃんと景色を見つめられているだろうか? 絶景を前に立ち止まり、目を凝らすことで、見えてくる姿がある。じっと耳を澄ますことで、聴こえてくる声がある。そんな偶然の出会いに、「ささやかな未知」が詰まっている。ここではないどこかに、わたしとは違う人生を生きている誰かがいる。そんな誰かを想像することは、世界に触れようとすることであり、それこそが「観光」なのではないかと、僕は思う。(「あとがき」より)
【目次】
プロローグ わたしたちの目はどんなひかりを見てきたのだろう?
道後温泉 いつか旅は終わる
竹富島 人間らしさを訪ねる旅
摩耶山 ひとつひとつの電灯のなかにある生活
猪苗代 結局のところ最後は人なんですよ
羅臼 人が守ってきた歴史
横手 店を選ぶことは、生き方を選ぶこと
しまなみ海道 昔ながらの商店街にひかりが当たる
五島列島 世界は目に見えないものであふれている
広島 この街にいた誰かを思い出す
登別・洞爺 絶景、記憶をめぐる旅
あとがき
【著者】橋本倫史(はしもと・ともふみ)
1982年東広島市生まれ。物書き。著書に『ドライブイン探訪』(ちくま文庫)、『市場界隈 那覇市第一牧志公設市場の人々』、『東京の古本屋』、『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』(以上、本の雑誌)、『水納島再訪』(講談社)がある。(撮影=河内彩)
*版元㏋より