
まずもって、あの夫というやつは臆病すぎる。合理的であるということを隠れ蓑に、ただ予期せぬものの訪れを怖がっているだけ。なんだい、なんだい、びびりやがって。くされチキンがよ。だいたい、すべて計画通りの毎日なんてつまらないじゃないか。(中略)そのくされチキンがある日、なんの前触れもなく急須を一式買って帰ってきた。(本文より)
暮らしより大切なものがある人間は、いかにして暮らせばよいのだろうか?
暮らしレーベル、第4弾。
デビュー詩集『とても小さな理解のための』が5刷。
現在最もメディアから注目を集める詩人・向坂くじら、初の散文集。
【書誌情報】
出版社:百万年書房
発行:2023年7月
版型:四六判変形並製
【著者】向坂くじら(さきさか・くじら)
詩人、国語教室ことぱ舎代表。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」で朗読を担当。デビュー詩集『とても小さな理解のための』(しろねこ社)のヒットで、新聞・テレビなどのメディアから。一九九四年生まれ、埼玉県在住。
*版元㏋より