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なぞること、切り裂くこと 虚構のジェンダー|小平麻衣子

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〈書きかえ〉の日本近代文学史  何かを書きつけたい切望、そしてその周囲に生じるさまざな権力関係(=書きかえ)。  男性作家や批評家が、いかに女性「作家」を文学的な「評価」から排除してきたか、そのレトリックをあぶり出し、それに対する女性たちの、(いわゆる「抵抗」に限定されない)その切望や逡巡、そして文学的操作までを、〈書きかえ〉という権力関係の現れから読み解く、かつてない文学史。  「インターネット上での先行記事をなぞることを厭わない文章の増殖」「SNSでの引用という行為」など、現代的な諸問題・諸実践ともつながる、その「空虚とみなされかねない過去を、切り裂かれた裂け目として書きかえる」試み。  文学という“虚構がつくるジェンダー“と、“ジェンダーそのものの虚構性”は、いかなる関係を「現実」において切り結ぶのか?  計10編からなる、明治末期から昭和40年代までの「女性の書き手が社会に認知されるまでの軌跡」を描き出した論文集。 【書誌情報】 出版社:以文社 発行:2023年3月 版型:四六判上製、304p 【目次】 序 章 書くことを拒否しながら書く──田村俊子「女作者」の複雑さ 第1章 〈女性〉を立ち上げる困難──『青鞜』における小説ジャンルの揺らぎ 第2章 自然主義が消去した欲望──森田草平「煤烟」のマゾヒズム 第3章 大正教養派的〈個性〉とフェミニズム──田村俊子・鈴木悦の愛の陥穽 第4章 労働とロマンティシズムとモダン・ガール 第5章 〈女性作家〉として生き延びる──林芙美子『放浪記』の変節 第6章 盗用がオリジナルを超えるということ──太宰治『女生徒』と川端康成の〈少女〉幻想 第7章 紫式部は作家ではない──国文学研究の乱世と文芸創作 第8章 戦後世界の見取り図を描く──野上彌生子『迷路』と田辺元の哲学 第9章 女性作家という虚構──倉橋由美子『暗い旅』盗作疑惑の周辺 あとがき 注 初出一覧 索引 【著者】平 麻衣子(おだいら・まいこ) 慶應義塾大学文学部教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(1997年)。博士(文学)。専門は日本近代文学、ジェンダー批評。 著書に『女が女を演じる──文学・欲望・消費』(新曜社、2008年)、『夢みる教養──文系女性のための知的生き方史』(河出書房新社、2016年)、『小説は、わかってくればおもしろい──文学研究の基本15講』(慶應義塾大学出版会,2019年)。 編著書に『文芸雑誌『若草』──私たちは文芸を愛好している』(翰林書房、2018年)、『文藝首都──公器としての同人誌』(翰林書房、2020年)などがある。 *版元HPより

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