




とにかく、作者が楽しそうであり、俳句を通じて人生を面白そうに眺めている――岸本尚毅
秋や手に文鳥の来てすこしにぎる
第八回石田波郷新人賞受賞の著者、待望の第一句集。
二〇一四年から二〇二二年までの二五六句を収録。
〈収録句より〉
セーターにあやしき柄のありにけり
妹の駒はみづいろ絵双六
夕東風へ黒板消しを打ち合はす
紫陽花や銀の器に歯の軽さ
うつむきて夏着の縞を数へゐし
船遊び手を振れば手は風を受く
やすめればからだよくなる九月かな
宴とほく月の廊下にすれ違ふ
紐引いて橇の散歩は木の間ゆく
この宿のシャンプーよろし雪あかるし
☆限定:著者サイン入り
【書誌情報】
出版社:左右社
発行:2022年11月
版型:四六判並製、152p
【目次】
着ぶくれ
手にミモザ
あやふやに
月の廊下
いつか行く
解説 岸本尚毅
あとがき
【著者】斉藤志歩 (さいとう・しほ)
1992 年生。2015 年より東大俳句会に参加。2016 年、第八回石田波郷新人賞を受賞。