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薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪|諏訪部浩一

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ポストモダンと呼ばれる時代、さまざまな境界線が薄れ、あるいは正当性を問われ、引き直されてきた。そうした境界線をめぐる攻防の結果としてアメリカ小説が多様化してきたこと、そしてその多様性に「小説」の可能性があることを示唆できたとすれば、本書の目的は果たせたと思っている(第26章より)。グローバル化で「アメリカ」自体の輪郭がぼやけていくなか、近代の産物たる「小説」はどう時代と社会に応接してきたのか――「自由の国」を考察するための新しい「見取り図」。 【書誌情報】 出版社:講談社 発行:2022年11月 版型:四六判上製、224p 【目次】 はじめに 第1章 「知らない世界」はどこに──風俗小説 第2章 「場所の感覚」──リージョナリズム/南部小説 第3章 「貧乏白人」という表象──「ラフ・サウス」の文学 第4章 「普通」の地域に住む「普通」の人々──郊外小説 第5章 階級問題の再導入──ノワール小説 第6章 駆逐される「闇」──ゴシック小説 第7章 一回かぎりのプロジェクト──ロード・ノヴェル 第8章 したたかなサバイバル──ドロップアウト小説 第9章 アメリカの「お家芸」──戦争小説 第10章 ポストモダン的認識の向こうに──メタフィクション 第11章 なぜアメリカはこうなってしまったのか──歴史小説(1) 第12章 混沌とした「現実」への不安──歴史小説(2) 第13章 フェミニズムとの距離──女性文学 第14章 脱特権化のなかで──ゲイ/レズビアン小説 第15章 受苦への批評的まなざし──ユダヤ系文学 第16章 「抗議小説」をこえて──黒人文学 第17章 「個」と「全体」──先住民文学 第18章 差異への感受性──アジア系文学(1) 第19章 強制収容の体験/記憶──アジア系文学(2) 第20章 祖国、そしてアメリカ──アジア系文学(3) 第21章 葛藤なき成熟?──アジア系文学(4) 第22章 境界を意識させる「越境」──チカーノ文学 第23章 「裏庭」の視線──カリブ系文学 第24章 外部などどこにもありはしない──異境小説 第25章 「自然」と「共同体」──エコフィクション 第26章 フォークナーからモリスンへ──反近代小説 【著者】諏訪部浩一 (すわべ・こういち) 1970年東京生まれ。アメリカ文学者。上智大学文学部英文学科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻英語英米文学専門分野博士課程中退。ニューヨーク州立大学バッファロー校博士課程修了、Ph.D。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部英語英米文学専修課程准教授。著書に『ウィリアム・フォークナーの詩学』『アメリカ小説をさがして』(ともに松柏社)、『カート・ヴォネガット トラウマの詩学』(三修社)、『『マルタの鷹』講義』(研究社、日本推理作家協会賞[評論部門]受賞)『ノワール文学講義』(研究社)など。訳書にフォークナー『八月の光』(岩波文庫)、同『土にまみれた旗』(河出書房新社)などがある。 *版元HPより

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